TOP > 対策ツール > 事例集 > 事例082

yWz

■ 職場事例082
遠隔地における新規事業立ち上げ職場。従業員数20名(全員男性)。立ち上げに向けて16名が3ヶ月連続時間外労働時間100時間を超えた。その他4名は管理監督者であった。通常は産業医契約を結んでいる現地近隣診療所医師が時間外超過者健診を実施しているが、疲労を訴える従業員が多い状況がわかり産業医が出張して現地で健診を実施した。同時に職場見学も行い作業環境を見る機会を得た。 産業医面談では、ほぼ全員が強い疲労を訴えたが、健康障害には至っていなかった。しかし、立ち上げまでにまだ数ヶ月を要することより、現在の勤務状況を継続することが健康障害に進展するリスクを予見し、労働環境の改善につき職場と懇談を実施した。 業務の性質上、突発的な業務対応に関しては改善が困難な状況であったが、他事業場より経験者を2名補充することとなった。また、A事業場から上長が現場に長期滞在することで、時間外労働時間管理の強化や責任の分散化を図ることができた。組織健康の観点から考えると、皆が共通した業務目標(新規事業立ち上げ)を明確に持っており、また年齢が比較的均一でありコミュニケーションが良好であるなど組織風土が良質である点、全員がほぼ同等に時間外労働を行うなど労働状況が比較的均一である点などは良い要素であったが、出張が長期であることや時間外労働が多いことなど労働条件に対する不公平感を生じやすく、顧客対応のため突発的業務が多いことなど自己コントロール性が少ない点が問題であると考えられた。 上記の点を上長にフィードバックし、組織の状況を適切に把握していただき、良い点はより強化し、問題点については各従業員とのコミュニケーションの中で配慮を行いやすくするよう進言し、従業員の健康障害予防に役立てた。